続きを読む 国際的なメディア、スポーツ、エンターテイメント(MSE)セクターは、持続可能性と環境・社会・ガバナンス(ESG)に関する広範な課題に直面しています。セクター全体に及ぶ持続可能性に関する主要な課題としては、データプライバシー、多様性と受容性、平等、反差別、競争、不正行為や腐敗行為などが挙げられます。このセクターでは、社会的問題やガバナンスの問題が特に蔓延している一方で、エネルギーの大量使用、廃棄物及び気候変動への懸念など環境問題への関心が高まっています。
私どもは、世界最大のサッカーリーグ、一流のプロスポーツフランチャイズ、世界有数のメディア、著名な広告代理店、大手ハリウッドスタジオなど多岐にわたるMSEセクターのお客様にアドバイスを行い、このセクターが複雑かつ多面的で、複数の法域に跨って機能し、多様な利害関係者に対応していることを熟知しています。また、持続可能性の問題に受け身で対処し蛸壺化した手法を用いた企業が、市場における地位、利益、資本へのアクセス及びブランド価値をリスクに晒す危険に直面した姿を見てきました。
このような複雑な問題に対して、私どもは包括的なアプローチを取ります。まず、私どもが豊富な経験を有する知的財産保護、ファイナンス、コーポレートガバナンス、規制コンプライアンス、メディアの権利、独占禁止法及び競争法、紛争及び危機管理などの問題に関してお客様にアドバイスを行います。私どものチームは、MSEセクター全体にわたる深い法的経験と、ESG問題に関する横断的な幅広い経験を組み合わせ、持続可能性戦略の策定であるか、紛争管理や危機管理であるかを問わず、お客様のあらゆる状況に応じた包括的なアドバイスを行います。
持続可能な未来への過渡期におけるリーダーは、リスクと課題だけではなく成長のための豊富な機会にもめぐり合います。私どものチームは、このような過渡期においてリスクを管理し、機会を活用できるようにお客様との連携に努めます。
メディア、放送、映画
メディア、放送会社、映画会社は、顧客エンゲージメント、データセキュリティ、プライバシー権に関連する体系的なリスクに直面しています。コンテンツ規制は単なるコンプライアンスの問題にとどまらず、消費者がソーシャルメディアのアクティビストとなり、これらの会社は偏向報道、偏見、差別的なコンテンツについて審判されるようになりました。例えば、映画会社やコンテンツ会社はキーパーソンの離脱リスクにさらされており、プログラムの変更や中止につながる可能性のある社会的な議論に極めて脆弱です。これらは社会的な要因が支配的である一方で、今日の映画会社や放送会社は、大型予算の製作において排出量の制限、エネルギー効率の確保及び廃棄物管理という環境上の懸念への対処を促す圧力にも直面しています。
出版
出版業界において、デジタル化時代の消費者との関係の性質の変化が、持続可能性に関する新たな課題を表出させています。企業は、反競争的慣行やコンテンツ規制に関する規制上の懸念に加えて、特にデータプライバシーとセキュリティについて、顧客の懸念に対応する必要が生じています。単一の領域における法令遵守だけでは、利害関係者の期待に応えるには十分ではないことがしばしばあり、例えば、社会の動きによって、出版社が内容についての説明責任を負うように圧力がかかる場合などがあります。
広告
持続可能性とESG問題を一層重視する方向へのシフトは、広告セクターにおいて特に顕著です。広告セクターでは、ブランドが自社製品の持続可能性に関する信頼性をますます主張し、広告掲載における倫理上の問題をより重視するようになっています。広告規制当局は、消費者にとって持続可能性の問題が重要性が高まっていることを考慮して、かかる問題により一層注意深く着目しています。このことは、環境広告クレーム、チャリティパートナーシップ、社会的な意義に紐づけられたマーケティングキャンペーンなどの問題をめぐる広告規制の遵守が、広告主と広告代理店の双方にとって、これまで以上に重要であることを意味しています。
スポーツチームやリーグ
スポーツ業界では、反差別、平等、多様性と受容性といったESGの社会的側面に加え、不正行為や腐敗行為といったガバナンスの側面にも焦点が当てられてきました。人種差別やセクシュアルハラスメントなどに関して利害関係者の期待に応えられなかったスポーツチームやリーグは、そのスポンサーを含めて、社会や利害関係者からの反発を受けてきました。また、今やスタジアムは、排出量、エネルギー効率及び廃棄物管理を含む環境パフォーマンスについて定期的に評価されています。
国際的イベント
国際的なイベントには、排出量の規制、エネルギー使用及び廃棄物管理からサプライチェーン管理、労働者の権利、各主催国の管轄リスクに至るまで、持続可能性に関する幅広い配慮が必要とされます。2019年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、世界中のあらゆるレベルの競技や公演が瞬く間に中止又は延期され、このような大規模なイベントが社会的要因や環境的要因に対して特に脆弱であることが示されました。国際なスポーツ大会などのイベントの企画は、ニューノーマル(新常態)においては引き続き厳しいものとなるでしょう。
これらの問題がお客様のビジネスに与える影響についてご相談されたい場合、私どものESGリーダーまでお問い合わせください。